
今回はファストファッションの人気サイトをランキング形式で比較してみました。
外資の人気ファストファッションであるZARAやH&Mはもちろん国内で人気のファストファッションであるGUやしまむらなどをサイト単位で比較して、サイトへの訪問者数やユーザーがどのようなキーワードでサイトに流入しているのかを調査してみました。
日常生活の中でZARAはH&Mに比べて価格が高い、品質はZARAの方が上や、GAPの値下がりの話題は出るのですが、実際にサイト単位で調査してみると普段気づかないような各ファストファッションの特徴が見えてきました。ファストファッションに関心がある方はもちらん、実際にアパレル関連のサイトを運営されている方にも役立つ内容になっているので最後まで見て頂けると幸いです。
ファストファッション人気サイト検索数ランキング
結論からいうと、ファストファッションサイトではGUが一番月間訪問者数が多く、次にしまむらという形になりました。GUが一位なのはわかるのですが、個人的にはしまむらがこんなに訪問者数が多いのは意外でした。知名度では圧倒的にZARAやGAPの方があると思っていたので。

※ちなみにツールはAhrefsという分析ツールを使用しています。第三者の分析ツールなので実際の数字とギャップはありますので参考としてみてください。
次の章からは各ブランドの人気キーワードなどの詳細をみていきます。
ZARAのサイト特徴
説明不要だと思いますが、ZARAはスペインの人気ファストファッションです。ファストファッションの中ではもっともデザイン性が高く、学生からOLまで着用されているブランドです。
先ほどのファストファッションブランドでのデータで下記の通りでした。
ZARAの一か月間の訪問者数…およそ356,000。
ZARAサイト内での検索結果トップ100にランクインしているキーワード数…およそ95,900(ユーザーがどれくらいの数のキーワードで検索して実際のZARAのサイトに流入したかを示しています。)

ファストファッション全体の中では訪問者数が3位なのですがキーワードでは一位にランクインしています。ユーザーが実際にどのようなキーワードで検索してZARAのサイトに流入したかというと、『ZARAストール』や『ZARAバッグ』などのブランド名と製品名を一緒に検索しているケースと、『スキニー』、『ジョガーパンツ』、『トレンチコート』などの製品名のみのケースが上位を占めています。

※『ZARA』のみのキーワードや『ZARA 渋谷』などの店舗に関するキーワードは今回のテーマからずれるので省いています。
この二種類には大きな差があり、前者のようにブランド名+製品名で検索しているユーザーはZARAで商品を探している、もしくは買うことを前提にしているユーザーです。つまりZARAにとっては有望な見込み客といえます。
また『ブレザー』などの製品名のみのキーワードでも上位にランクインしてるので、のちほど後述するサイト対策(SEO)もある程度しっかり行っている可能性があります。
たしかにZARAのストールやワンピースを探している女性は多いような気がするので納得の結果ですね。
H&Mのサイト特徴
H&Mはスウェーデンのファストファッションブランドです。
ZARAと比較するとH&Mの方が低価格で買いやすく中高生に人気な印象があります。社会人でもけっこうH&Mの服を着用している方はみかけますね。それではH&Mのデータをもう一度参照してみます。
H&Mの一か月間の訪問者数…およそ241,000。
H&Mサイト内での検索結果トップ100にランクインしているキーワード数…およそ41,100

H&MもZARA同様にブランド名の後に製品名のキーワードが上位にランクインしているのですが、ZARAは『ZARAストール』などの具体的な商品で検索されているのに対して、H&Mは『H&Mマタニティ』や『H&Mベビー』などのカテゴリー名と一緒に検索されているケースが上位にきてますね。たしかにH&Mで特定の服というのはあまりイメージがないですね。それにしてもH&Mはスポーツウェアやマタニティのキーワードでこれほど人気なのは知りませんでした。

また製品名でのキーワードのランキングも『スポーツウェア』などのカテゴリーでのランキングが特徴ですね。ZARAでは『トレンチコート』などの具体的な商品名がランキングしていたのですが、H&Mではそれらのキーワードが上位にランクインしていませんでした。
H&MとZARAのカテゴリーページを比較するとH&Mは一般的なカテゴリー構成に対して、

ZARAは『トレンチコート』、『オーバーコート』などより詳細な製品ページが存在していますね。

各商品の個別ページが存在する方がGoogle的にはそれらのページを認識しやすく、検索結果でも上位に表示される一因になると考えられます。
H&MとZARAのトラフィックの差をまとめると以下の事が言えると思います。
ZARAは⓵『スキニー』などの商品名、②『ZARA トレンチコート』のようなブランド名+具体的な製品名、③『ZARA メンズ』のようなブランド名+カテゴリーでのキーワードでトラフィック獲得
H&Mは③のキーワードではトラフィックは獲得していますが(『スポーツウェア』『H&M メンズ』、)⓵、②のキーワードが弱い
⓵はSEO対策が有効ですが、②においては、消費者は検索時にすでに『ZARAのスキニーほしいなー』や『ZARAの新作のストールデザインみたい』等のブランド認知がされているものと思われます。
FOREVER21のサイト特徴
FOREVER21はアメリカのファストファッションブランドです。H&Mよりさらに低年齢層をターゲティングにしている印象です。また先ほどまでに紹介したブランドと大きく違うのは、他社が自社で商品の企画から開発、そして販売まで行うSPA形態ですが、FOREVER21は他社から商品を仕入れてくる業態です。
FOREVER21の一か月間の訪問者数…およそ80,200。
FOREVER21サイト内での検索結果トップ100にランクインしているキーワード数…およそ44,600

FOREVER21はトラフィック数が今回のファストファッションブランドの中では一番低い数値でした。

『レギンス』や『ビスチェ』、『キャミソール』などの下着製品でのキーワードが上位にランクインされているのが特徴ですが、ZARAのように『ZARA ワンピース』などのブランド名+製品名でのキーワードが圧倒的に少ないと感じました。先ほどのZARAやH&Mのキーワードの比較の例でいえば、ユーザーは検索時に『FOREVER21のスキニーをかいたい』などの『FOREVER21』というブランドネームありきで検索を行っていないものと思われます。つまり検索ユーザーがFOREVER21の商品を買う前提で検索しているケースが他の競合と比較して少ないと言えます。
GAPのサイト特徴
GAPはアメリカのアパレルブランドです。厳密にいえばファストファッションとは言えないんですが、Googleの検索結果からファストファッションの1つとして認識されてるのでカウントしました。
GAPの一か月間の訪問者数…およそ221,000。
GAPサイト内での検索結果トップ100にランクインしているキーワード数…およそ59,000

GAPのキーワードを分析するとブランド名を含まないキーワードが上位にランクインしていました。『ジーンズ』、『スウェット』などの具体的な製品名と『子供服』、『スポーツウェア』、『アメカジ』など製品カテゴリーや服のジャンルなどが含まれています。他にも『スウェット』、『ジャケット メンズ』など定番的な製品キーワードでランクインしているのが特徴ですね。
以外だったのは『GAPパーカー』などのブランド名を含んだ製品キーワードでのトラフィック数が上位ではなかったことです。もちろん『GAP チノパン』、『GAP tシャツ』などのキーワードでサイトに流入しているのですがどれも同じトラフィック数であるH&Mよりキーワードでのトラフィック数が低く、種類も多くない印象でした。

GUのサイト特徴
GUはユニクロを運営しているファーストリテイリングによるファストファッションブランドです。
ユニクロがベーシックで何年も着ることを前提に服を作ってるのに対してGUはトレンドまっしぐらの印象ですね。
そんなGUですが、今回のファストファッションブランドランキングではトラフィック数ナンバーワンです。

GUの一か月間の訪問者数…およそ582,000。
GUサイト内での検索結果トップ100にランクインしているキーワード数…およそ65,900
GUのキーワードの特徴は、他の競合に比べてダントツでGUと一緒に製品名で検索するキーワードが上位を占めていることです。下の表では『ジーンズ』と『ズボン』、『スウェット』以外はすべてGUがキーワードにはいっています。
つまりユーザーは、GUの各ページに流入する際には『GUのセットアップが気になる!』、『GUのワイドパンツほしい!』という意識で検索をしている傾向が強いことがわかります。
たしかにGUは他のファストファッションブランドと比べてSNSでプチプラ情報としてシェアされている傾向が強いですね。SNSの情報を普段からみているユーザーの中ではGUと特定の製品名で検索することは自然な行動と言えるでしょう。

しまむらのサイト特徴
しまむらも国内で人気のファストファッションですが、FOREVER21と同じくSPA型の業態ではなく、他社から製品を仕入れるタイプです。
しまむらの一か月間の訪問者数…およそ422,000。
しまむらサイト内での検索結果トップ100にランクインしているキーワード数…およそ86,400

しまむらはもGUと同じくブランド名とキーワードが一緒に検索されているケースが多いのですが、特殊なのは『しまむら チラシ』、『しまパト』、『しまむら ブラックフライデー』、『しまむら プレミアムフライデー』などの製品以外のキーワードが上位にランクインしていることです。

例えばキーワードランキング一位の『しまパト』はしまむら内でお洒落でコスパがいい商品をユーザーが見つけてインスタグラムで投稿していたことを指していたのですが、現在ではしまむらのサイト内で『しまパト』特集のページを
作成しています。

また『しまむらチラシ』なんですが、こちらは月間のサーチボリューム(一か月に対象キーワードを検索エンジンで何回検索されているかを示したもの)がおよそ38万回、『ユニクロ チラシ』がおよそ20万回なので、どれだけ人気のキーワードかがわかりますね。(サーチボリュームが上のイメージの数値と違うのは別々のツールを使用しているので参考程度にみてください)

どうやらしまむらでは、ブラックフライデーなどに代表されるように各種イベントが豊富なのでユーザーの間でしまむらのチラシは有名みたいです。
シミラーウェブというサイト分析ツールでどのサイトからしまむらのサイトにやってきたのかを調べてみると、上位5件中3件がチラシ掲載サイトからでした。

しまむらにおいてチラシがいかに有効な存在かがわかりますね。
またしまむらでは『WEAR』というキーワードが二番目に人気のキーワードです。

こちらもしまむら内にWEAR専門のページを作成してトラフィック数を稼いでますね。
WEARに商品を載せているブランドは多いのですが、自社サイト内にWEAR専門のページを作成しているブランドはまだあまりないようです。しまむらは比較的最近WEARに商品を載せ初めたブランドですが、WEARでの検索結果ではWEARを運営しているスタートトゥデイ以外のブランドでは一番上位にランクインしています。
目的によりけりですが、他社ブランドもWEAR特集のページを作ってみてもいいかもしれないですね。
ファストファッションランキングまとめ
各ファストファッションのサイトを比較してみるとそれぞれのブランドの特色が見えてきました。
Guのように購入に近いキーワードで集客しているファストファッションブランドもあれば、しまむらのように製品以外のキーワードからトラフィックを得ているブランドもあります。SEOの観点から見るとZARAのように需要の強いキーワードにもとづいて製品ぺージを作るのが一番現実的な方法だと思います。
アパレルサイトを運営されている企業様は、上記の施策の他に内部対策や外部対策も並行して行うことをお勧めします。
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