
中国のドメイン(.cn)を管轄する認証機関である中国インターネット情報センター(CNNIC)は2015年2月に、第35回の報告書を発表しました。ここでは、報告書によって公開された最新のデータとそれに関する考察について説明します。
同報告によると、中国のインターネット利用者は現在、6億4,880万人で、普及率は2.1%上昇しました。しかし、前年度は3.7%だった普及率の伸びは、弱まり続けています。
普及率の伸びが鈍くなった理由は、「コンピューターやインターネットの利用方法がわからない」、「インターネットを使用するには年が高すぎる/若すぎる」など、インターネット非利用者に基本的な原因があるからです。2014年の新規利用者は主に学生で、新規利用者全体の38.8%を占めています。多くの学生は学校でインターネットを利用するため、新規利用者のデスクトップ利用率に上昇が見られました。
2014年の新規インターネット利用者使用端末
ユーザー全体で、圧倒的な利用率の伸びを見せたのがモバイル端末で、デスクトップやノートパソコンと比べて高い成長率を誇りました。2014年にはタブレットの使用が流行し、モバイル端末より高い成長率を記録しました。最後に、インターネットTVやインターネット対応のセットトップボックスがより入手しやすく、一般的になってきたことにより、同報告書ではTVをインターネット端末として調査に追加しました。TVはすでに、15.6%のインターネットユーザーにより使用されています。
全インターネット利用者による端末の使用
モバイルインターネットユーザーは現在、5億5,680万人おり、全インターネット人口の85.8%を占めています。これは、前年度比4%で、2013年の前年度比6.5%と比べると、成長が鈍化しています。
モバイルインターネットユーザーと使用率
このレポートではインターネットの主な用途を説明し、全体のデータとモバイルデータを比較して、過去6か月間および12か月間の変化を評価しました。過去6か月間および12か月間のいずれにおいても、マイクロブログおよびEメールの使用率が減少しました。一方、モバイルのEメール使用率は、過去6か月間では減少していますが、前年比はプラスを維持しています。
オンライン旅行予約は全体的に引き続き成長を続けており、去年は22.7%成長しました。特にモバイルプラットフォーム利用の成長率はめざましく、過去6か月間では78.1%、過去12か月間では194.5%成長しました。
インスタントメッセージはインターネット利用目的のナンバーワンとしての地位を確立し、モバイル端末および全デバイスでの普及率は90%を超え、前年比の成長率も安定して伸びています。
また今年の報告書では、ソーシャル・ネットワーキングは、過去数回の報告書で利用数が減少し続けたため、一般的な利用アプリに含まれていません。
全体的な使用用途
モバイルの使用用途
旅行予約ユーザーと利用率
オンライン旅行予約サービスで最も利用される使用目的は引き続き、鉄道切符の購入でした。フライト予約も2013年の12.1%から2014年の13.0%へと安定した伸びを見せています。
旅行予約サービス利用の種類