
Baiduは、9月に開催されたBaidu Technology Information Conference 2014で、「Baidu Connect」(直达号)と呼ばれる新しいサービスを発表しました。このサービスは小売業界をターゲットとしており、より合理的なオンラインとオフラインを融合させたO2O体験をモバイルユーザーに提供することを目指しています。「TencentのWeChatに対抗するO2Oソリューション」と大々的にうたわれているこのサービスには、これまでにない成長を見せている中国のスマートフォンユーザーを見据えた、一般検索に関連した機能をいくつか備えています。
Baidu ConnectはBaiduのモバイル検索またはモバイルアプリからアクセスできる、特別な検索サービスです。ConnectアカウントにはそれぞれIDが割り当てられ、IDは、「@」プレフィックスとそれに続く固有のキーワードから構成されています。ユーザーがBaiduで検索し、ConnectアカウントIDが検索キーワードに一致すると、候補のトップにIDが表示されます。または、アカウントが存在することがわかっている場合は、そのIDを直接入力することもできます。これにより、アカウントに関連付けられたLight Appが直接起動して、Baiduの検索結果を完全にスキップすることができます。
Baidu Connectアカウントの検索候補から、直接Light Appを開くことができます。
新しいサービスにはたくさんの新しい機能があります。最も大きな影響はBaiduのSERP(検索エンジンの検索結果を表示するページ)を完全にスキップできる点です。近年、Baiduが同社の検索結果を優先して表示することがますます増えてきているので、特に興味深い点だといえます。簡単な実験として、同じキーワードを検索して、Connectの検索サジェストを選択しなかった場合、有料広告検索結果につづいて、Connectアカウントがオーガニック検索結果の1件目として表示されました。その後、Baidu Wiki、Baidu Map結果、Baidu Knows、DianpingのYelpに似た結果が並び、最後に検索した企業の公式Webサイトがありました。このように、ブランド名で検索をしても、そのブランドがオーガニック検索結果の1件目に表示されることが難しくなってきています。Baidu Connectは、このような問題を解決するために、接続されたLight Appを通じて直接ユーザーと繋がることができる優れた方法になるかもしれません。企業は直接予約、座席選択からモバイル支払いまでの完全な変換サイクルをLight App環境内で構築できます。
またBaidu Connectは超地域密着型です。このサービスはO2Oソリューションとして開発されているため、Light Appを位置情報対応にできるだけではなく、Baidu MobileアプリおよびBaidu Mapsアプリ内で位置情報に対応したConnectアカウントの検出が可能です。また、ユーザーは「@」と入力することでConnectアカウントを検索サジェストから取得できます。これにより、ユーザー向けによりフォーカスした経験を提供できます。
モバイルSERPでの、Baidu Connectの通常検索結果です。Light App内のアクションに変換できるクイックリンクが表示されます。
検索結果のConnectアカウント検出
Baidu Connectは、クローズドベータテストが終わったばかりで、Connect IDの申請は無料です。企業はConnectアカウントにリンクするために、昨年発表されたBaiduのLight Appプラットフォーム上に開発済みのLight Appが必要です。Light Appは、モバイル対応HTML5 Webアプリまたは、BaiduのLight Appビルダツールを使用して0から開発したアプリのどちらかとなります。
Sources:
Baidu Connect sign up: http://zhida.baidu.com/
Reporting at launch: http://blogs.barrons.com/asiastocks/2014/09/03/baidu-connect-not-just-o2o-but-mobile-monetization-rate/