2011年以降、Googleはデフォルトで検索をSSL(HTTPS)で暗号化して、オーガニック検索の流入元キーワードを非公開にしたため、マーケターはユーザーが検索したキーワードを把握することが困難になりました。Yahooも2014年に同様の変更を行い、欧米市場のユーザーは流入元キーワードが提供されないことに慣れてしまいました。一方、Baiduなどの中国の国内検索エンジンは検索を暗号化していなかったため、中国市場はほとんど影響を受けませんでした。しかし、先日Baiduがユーザーのプライバシーを保護するためにGoogleとYahooと同様の変更を行うと発表したことで、状況は変わりました。
Baiduは、5月中旬に検索エンジンが段階的にオーガニック検索のキーワードを非公開にすることを初めてウェブマスターに通知しました。
弊社が入手した分析データを検証した結果、Baiduは実際にはウェブマスターへの通知より前の4月中旬から公表を開始していましたが、この強化プロセス実行のスピードは遅いことが確認されています。以下の分析データは、オーガニック検索セッションが1日あたり10,000件ある中国のWebサイトを示しています。このデータを使用して、主要ブランド名「(brand)」をBaiduのオーガニックのトラフィックと「(not set)」を比較しました。6月26日までに、Baiduは移行を完了したようで、サンプル分析データの主要ブランド名検索が激減しています。
高トラフィック中国サイトのBaiduオーガニック検索トラフィック
Baiduは、同社のウェブマスターのプラットフォームを通じて6月28日に暗号化への移行が完了し、キーワードデータがリファラーから削除されたという同様の発表を行いました。Baiduは、オーガニック検索結果に関心のあるマーケターは、Baidu Webmaster ToolsまたはBaidu Analyticsプラットフォームのデータを参照するように呼びかけています。
GoogleとYahooによって、欧米市場がこの課題に何年も取り組んでいるのと同様に、中国市場もこの変化に迅速に順応すると弊社では推測しています。
2015年7月現在、中国の上位2位と3位の検索エンジンであるHaosouとSogouは、引き続き検索キーワードデータをリファラーに提供しています。
Haosou(好搜)のリファラーデータ
Sogou(搜狗)のリファラーデータ