今回はローカルSEO(MEO対策)に大きな影響を与えるサイテーションについて説明します。
サイテーションサイトへの登録はSEO的には重要なのですが、正しく登録している企業は思いのほか少ないのが現状です。
また、日本ではローカルSEOについての記事はあるもののサイテーションの重要性や登録リストと手順を説明しているサイトが非常に少ない。
そこで今回はGoogle Map検索で上位表示されたいと考えている方に向けて、サイテーションサイトの説明とローカルSEOへの影響、最後にお勧めのサイテーションサイトの紹介と簡単な登録の仕方を説明します。
サイテーションとは?
サイテーションとは、他のサイトがあなたのビジネスの名前や電話番号などを参照することを指します。
被リンク対策のバックリンク(関連性のあるサイトやブログから自社へのリンクを張ってもらう)と混同しがちですが、
サイテーションにおいては被リンクの有無は問わず、あくまでも正確な自社の情報を載せてもらうことを意味します。
1-1 サイテーションサイト説明
サイテーションの意味がつかめたところで、実際のサイテーションサイトを例に見ましょう。
サイテーションサイトには上のイメージのような『何を探しているか』また『どこで探しているか』の二点を
検索する項目が存在するサイトと、下にあるイメージのように検索機能がなく、カテゴリーリストから情報
にアクセスするYahoo!カテゴリのようなサイトがあります。
下のイメージはHotfrogの検索機能に『インテリア』と入力したものです。
新着企業、人気企業の情報や、都道府県別のカテゴリーが表示されていますね。
今回は赤線の中の右下にある『ヘイワースジャパン』をクリックしてみます。
まず自社の『店名』があり、その下に連絡先として『住所』と『電話番号』また『ウェブサイト』があります。
さらに下には自社の『企業概要』が載せてあります。
このように自社の情報が記載されたサイトのことをサイテーションサイトと呼びます。
ちなみに、これらの企業情報のことをSEOでは『NAP』と呼んでいます。
「Name(名前)」「Adress(住所)」「Phone(電話番号)」の頭文字を指す言葉と覚えてください。
のちに説明しますが、サイテーションサイトに登録されているNAPのおよそ半分近くは記載ミスがあるのではないでしょうか。
先ほどのサイテーションサイトの例では、住所の項目なのに『担当者名』が割り込んで記載されています。
NAPの統一については後述しますが、MEO対策に重要な要素となっています。
また例ではウェブサイトの項目に何も記載されていませんが、被リンクの効果も得られるので是非リンクをはりつけましょう。
1-2 ローカルSEO(MEO)とは?
MEOとは「Map Engine Optimization」のことです。Google mapに対する地図エンジンの最適化、またはマップ検索エンジンの最適化を指します。
ローカル検索でGoogle Mapに上位表示されるための対策という意味です。
SEOのGoogleマップ検索エンジンバージョンだと捉えるとわかりやすいと思います。海外ではローカル検索とも呼ばれており、
『検索したいもの』に『地域名』をつけて検索することを指します。下が例ですね。
赤線がローカル検索の結果です。『さらに表示』をクリックするとずらりと検索結果がでてきます。
みなさんも日常でGoogle Map 上位表示されている店舗を頼りにお店を決めたことがありませんか?
ローカルSEO対策をすることはリアル店舗にユーザーを呼び込むために必須な取り組みといえるでしょう。
それでは、なぜサイテーションがローカルSEOに効果的なのか見てみましょう。
1-3 なぜサイテーションがローカルSEOに重要なのか
アメリカのSEO業界の権威として知られるMozのリサーチによると、
サイテーションはローカルSEOへの対策に効果的な要素としてベスト5までにランキングされています。
※Mozの2017 Local Search Ranking Factorsより抜粋
冒頭でも言った通り、日本のSEO業界では被リンク対策や内部対策についての記事は多いのですが、
サイテーションについての記事をあまりみかけません。
有名な企業ですらサイテーションサイトへの登録をしていない、
またはNAPが間違えて登録されているケースもしばしば目にします。
逆をいえばサイテーションを怠らず、しっかりとサイテーションリストに正確なNAPを載せていけば、
ローカルSEO対策になり、Google Map検索で競合より上位表示される可能性や、見込み客を増やすことができると言えるでしょう。
よりサイテーションの理解を深めるためにローカルSEOにどのようにサイテーションが関わっているのか見てみましょう。
例えばGoogleで『東京 寿司』で検索すると次のローカル検索結果がでてきます。
画面下の赤線枠は『ローカルパック』と呼ばれます。赤線内にある三つの店舗が見えますね。
ローカルパック内の『さらに表示』をクリックしてトップに表示された『鮨さいとう』 をクリックすると次の画面が表示されます。
画面右の赤線内にある店舗の情報に注目してください。
サイテーション対策の最大の目的は、検索画面(オーガニック検索・Google Map検索)に
店舗のナレッジグラフカード(上部右)を正確に表示させることです。
ローカル検索結果だけで、所在地、営業時間、電話番号だけでなく、評価や写真など、
利用客が必要とする情報をすべて提供してくれます。
ここに表示されている情報に間違いがなければ、ローカル検索結果に正しいNAPが統一し反映されることによりMEO対策になり、
顧客の獲得に大きく貢献することになります。また、ウェブサイトURL情報を追加すれば、サイトのアクセスにもつながります。
それでは、このようにローカル検索に正しいNAPを表示させるにはどうしたらいいのか見ていきましょう。
下部の店舗情報をスクロールダウンした画像をご覧ください。
注目してもらいたいのが、画面右下の赤枠で囲っているローカル検索の結果画面です。
食べログやトリップアドバイザーなどのサイトが『鮨さいとう』についてのレビューを書いていますね。
真ん中のyelp(アメリカでは有名なタウンページサイト、ここではサイテーションサイトとして取り上げます)をクリックすると以下の画面が出てきます。
先ほど見たサイテーションサイトと同じく店名や住所が記載されています。
このように質の高いサイテーションサイトに自社の情報が正しく記載されていればいるほど、
ローカル検索内のローカルパック内に自社のビジネスが表示されやすくなりMEO対策になります。
※1.以前はローカルパックには7つのビジネス情報が表示されていたのですが、
現在では3つしか表示されません。
ローカルSEOにおいて、ローカル検索結果でローカルパック内の3つの枠に入ること、
もしくは『More places』をクリックした後に表示される店舗の中で、
Google Map検索で上位に表示されて露出を増やすことが重要になってきます。
ちなみに Google plus, Google My Businessへの登録もGoogleでのローカルパック・ナレッジカード表示
には必須になりますので、登録していない場合は、必ず登録してください。
Google plusは、専用gmailアカウントの登録で自動的にGoogle plusアカウントを獲得できます。
ただし。NAPの詳細情報を追加する必要あるので、お忘れなく。
(※2.もちろんGoogle Map上位表示には口コミなどの評価も大きくかかわっていますが、この記事では割愛します。
※3. またローカル検索結果は、検索者の居る場所のIPによって左右されます。)
下は『さらに表示』クリック後のローカル検索結果画面です。
赤線の中のページ数に注目してください。これだけのページ数があると、ローカル検索でトップページに表示
されない限りはユーザーからクリックしてもらえないでしょうね。MEO対策をしっかりと行い、
上位に表示されることがいかに重要かがわかります。
そのほかにも、サイテーションサイトに自社の情報がない、もしくはNAPが誤って記載されていると、
直接サイテーションリストをみた見込み客を逃してしまうことになり、サイトへの導線がなくなってしまいます。
2 まずは誤ったNAPがサイテーションサイトに登録されていないか確認
これからサイテーション登録をする前に、誤ったNAPがサイテーションサイトに登録されていないか確認してみましょう。
Google検索に自社のNAPを検索すると、いくつかのサイテーションサイトがヒットします。
そこから確認していくか、以下のやり方を試してみてください。
1 .サイトサーチ
サイトサーチとはそのサイト内に『/』以降のテキストが含まれているか確認する方法です。
サイトのドメインの前に『site:』をいれ、ドメインの後に『/』入力します。
『/』のあとに半角スペースを入れて自社の企業名をいれてください。ここではYelpを例にしています。
後でサイテーションサイトのリストを載せていますので、そのURLでサイトサーチをして、
自社のサイトが登録されているか確認してみてください。
2.特定のキーワードを除外
『キーワード-除外したいキーワード』で、「-」の後に書かれたキーワードを除外したサイトを検索できます。
今回は除外したいキーワードに先ほど使用したサイトサーチを例にしています。
※左が『http://www.theegg.com/ja』以外のサイトで『ジ・エッグ・ジャパン』について言及しているサイトのみを表示。
自社のドメイン以外で自社について言及しているURLが見つかるのでNAPの確認に適しています。
2-1 間違ったNAPの登録はローカルSEOに悪影響をあたえる
間違えたNAPがサイテーションサイトに入力されていると、せっかく登録してもローカル検索の順位に
マイナスになる可能性が高いです。
例えば『ジ・エッグ・ジャパン株式会社』と『株式会社ジ・エッグ・ジャパン』では人間から
すると同じ会社だと察してくれるかもしれませんが、Googleのアルゴリズムではこの二つは
別の会社と認識されてしまうケースもあります。
Mozの記事によれば、正確なNAPが各サイテーションサイトに登録されていなければ、
サイトへの信頼性が下がりローカルSEOどころか逆効果になってしまいます。
また誤ったNAPはユーザーを間違った方向に誘導してしまいます。さらに不正確な情報は自社への評判を下げ、
リード獲得を逃すことになるでしょう。
SEOの観点から自社のNAPは必ず統一させてください。
3 正しい情報をサイテーションサイトに登録しよう
それではここから本格的にサイテーション登録の方法と事前に用意する情報、またおすすめのサイテーションリストを見ていきましょう。
3-1 サイテーションサイト登録に必要なもの
サイテーション登録にはNAPの他に必要なものが多く存在します。
またサイテーションサイトによってはそれらのすべてを登録しないと自社のビジネスページが作れない場合もあります。
具体的に何が必要か実際のサイテーション登録画面を見て確認しましょう。
下記は代表的なサイテーション登録画面ですが、ほかにも『企業のロゴ』、『店舗写真』や各種SNSのリンク
を張れる項目も存在します。
また海外のサイテーションサイトは以下のような登録画面です。
※WHODOYOUより抜粋
住所の画面が途中で途切れていますが、全文表示にするとこういう書き方になります。
『Yoshikawa Building 2/F, 10-2 Akasaka 2-Chome, Minato-Ku, Tokyo, 107-0052 Japan』
日本のサイテーションサイトは数が限られているので、どうしても英語のサイテーションサイトへの登録が多くなります。
はじめは書き方になれないかもしれませんが以下のURLを参考に英語で登録してみてください。
【海外通販】の『住所の書き方(電話番号)』まとめ
3-2 ローカルSEO対策に使えるサイテーションリスト一覧
実は日本を含めた極東および東南アジアの国のビジネスを登録できるサイテーションサイトはあまり多くありません。
多くのサイテーションサイトはアメリカなどの地域に特化しており、日本に対応していません。
下のサイテーションサイトはどれも基本的に無料で登録でき、日本のサイト登録に対応しているものです。
実際に弊社が、クライアントのサイトにローカルSEO対策をするために、使用したサイテーションサイトです。
どれも日本だけでなく主な国のローカルビジネスを登録できるものなので、場合によっては東南アジアの店舗などを登録する際にも役に立つかと思います。
- Google My Business
- Twittter
- FOURSQUARE
- 東京ロケーションボックス
- yelp
- spoke
- where 2 GO
- LACARTES
- Hotfrog
- Travelindex
- Whodoyou
- DIRECTORY.ac
- タウンノート
- List Company
- Lekkoo
- Share Local Business
- tucando
- Japan-seek
※東京ロケーションボックスはロケ地への登録が含まれるので、ご自身で登録の判断を検討してください。
また一部サイトは登録できる業種が限られています。
3-3 サイテーションサイト登録の手順
登録の際には3-1のイメージのように情報を記載して投稿するのみで、新たにビジネスページが登録される場合が半分程度。
もう半分はアカウントを作成して、サイテーションサイトからの承認メールを受け取ってからでないと投稿できない場合です。
4 ローカルSEO対策におけるサイテーションまとめ
今回の記事では、ローカル検索の紹介、サイテーションサイトへの登録はMEO対策にも効果的なことを見てきました。
また日本では被リンク対策やキーワード対策などに比べてサイテーションの情報があまりありません。
今後も引き続きMEOの重要性は高いままでしょう。
だからこそ競合があまり取り組んでいないサイテーションサイトへの登録、NAPの統一などを徹底することは、
ローカルSEO対策として非常に価値があることだと思います。
弊社ではローカルSEO対策はもちろん、SEO内部対策にも精通していますので
何かご質問があれば弊社にお気軽にお問い合わせください。